地元愛がつくり出す「みんなで学び合いたい、地域の物語」

EVOLOVE,地元愛

「EVOLOVE (エボラブ)」が大事にしているメインコンセプトの1つが「つながる」ということです。人と人とがつながって、「分かち合う、教え合う、学び合う」という行動を促したいと考えています。

コロナ禍で仕事も学校もリモートが当たり前になった今、自分が暮らす地域のローカルな魅力を再発見する機会が増えたと聞きます。一方で、移動が制限され、旅行や親戚との集まりなどのイベント、つまり、よそのローカルと出会う機会は激減しました。

修学旅行や社会科見学が中止になった子どもたちも大勢いたことでしょう。行ったこともない「利根川」とか「日光東照宮」とか。いくら社会科の教科書で「知識」として勉強したとしても、実際にその空間に身を置き、地域の人と触れ合う中で文化を感じる、五感からの学びとは比べようもありません。

日本各地には、魅力的なコンテンツが溢れています。リアルな移動が制限されたとしても、地図帳の上の文字としての「地域」ではなく、五感を刺激してくれるローカルな魅力とたくさん出会って欲しい。さらに、住んでいる人たちだからこそ知っているその土地の魅力を、自分の言葉で、自分の温度で発信する側にもなって欲しい。特に、Z世代以下の若者からの情報発信を促したい。そんな思いから、「EVOLOVE」の一環として「地元愛」を新しい形で楽しむ参加型プロジェクトを開始しました。

地元愛がつくり出す「みんなで学び合いたい、地域の物語」

UXDセンター長の木村健氏に、このプロジェクトに込めた思いを聞きました。


地元愛に注目したきっかけは。

もともと、「EVOLOVE」のコンセプトの土台には、ローカリズムという視点があります。コロナ禍でそれぞれが物理的に分断されてしまった今こそ、日本中に散らばっているローカルなLOVEを集めたいね、という意識を私たちは共有していました。

住んでいると当たり前の風景になっているようなことが、実は違うエリアの人にとっては未知の世界です。社会科の教科書を見ながら京都の寺社を一生懸命に覚えている子どもたちがいる一方で、近所に住んでいる人にとっては当たり前の景色である。ご縁が無ければ、ただの暗記項目ですが、もしそこが地元であれば、生活に溶け込んでいるものごとのはずなのです。

しかし改めて、自分自身が地元のことをどれだけ知っているかと問われると、アミューズメントパークや銘菓、特産品といった、いわゆるステレオタイプなその土地のアイコンしか知らなかったりするかもしれません。そして、なぜそんなステレオタイプな情報しか持っていないのかと考えたとき、自分たちの感性で自由に物事を発信したり受け止めたり、というスキルが社会において、圧倒的に不足しているのではないかと思うのです。


他人に説明したり、紹介したりするスキルが成長していないということでしょうか?

小中学生のお子さんを持つ方々にヒアリングしたところ、特にコロナ禍で外出制限があったために、意識が縮こまってしまったようです。みんなで自由に考えたり話し合ったりするのでなく、一人でコツコツ暗記するだけの勉強に変わってしまったと感じています。

本来の「社会科」は、日本各地の「今」のリアルを知るという、非常にワクワクした学びであるはずなのに、県庁所在地や山脈、気候といった単なる名称を暗記するという無機質な学びに閉じ込められているのは、あまりにもったいないと思いませんか。

地元愛がつくり出す「みんなで学び合いたい、地域の物語」

そうした思いが、「地元愛」を進化させるという企画につながるわけですね。

そうです。きっと大人も子どもも、“ワクワク”を共有しながら日本各地について学べるはずだと思うんです。このプロジェクトでは、これまでUXDセンターが提唱してきた商品開発のプロセスにのっとり、早い段階からユーザー自らの参加を実現させます。

つまり、日本の旧来型の商品開発プロセスでは、エンジニア領域で95%の完成度を超えなければ世の中に商品をリリースしないというスタイルが主流でしたが、それでは商品にユーザーの目線を反映するのはほぼ不可能です。商品開発者たちのエゴが優先され、ユーザーの感動は置き去りのまま。

そこで私たちが提案してきたのが、コト消費のプロセスを共有しながらその声を商品開発にフィードバックし、ユーザーを巻き込みながら価値を創っていくというプロジェクト開発のスタイルです。今回の「地元愛」プロジェクトも、早い段階で子どもたちを中心にした各地からのご当地情報を取り込んでいきたいと考えています。

地元愛がつくり出す「みんなで学び合いたい、地域の物語」

あえて、子どもたち目線での情報収集にこだわりを持った理由は?

何のしがらみもないZ世代の若者たちは、大人たちが気づいていない、見過ごしがちなことを、忖度なくストレートに発信してくれると期待しています。彼らの自由な発想は、きっと大人たちにも新しい気づきや刺激を与えてくれるはず。

その地元の人しか知らない絶景スポットの四季の顔、地産地消の旬の味。地域に伝わる暮らしの知恵や、子どもたちに人気のローカルゲームなど、どんなガイドブックにも載っていないような「地元愛」が届くのではないかとワクワクしています。そしてそれが、他の地域に住む子どもたちの学びを膨らませてくれると期待しています。

自分の感性で、自分の言葉で、自分が住む場所の魅力を発信してきて欲しいし、他の地域の人たちがどんな情報を発信してくるかを感じて欲しい。そうやって、点と点が結びついて、いくつものストーリーが生まれていくのが楽しみです。

プロジェクトは、まだ動き始めたばかりです。一緒に面白いことをやってみたい方がいたら、お気軽にご連絡ください。“地元愛”の進化を、作っていきましょう。

EVOLUTION × “地元”LOVE プロジェクト ティザー動画
EVOLUTION × “地元”LOVE プロジェクト ティザー動画