vol.14株式会社コンセント大崎優さん

株式会社コンセント

UXDセンターは、リビングライフ市場を主戦場とし、DX・デジタルマーケティング領域のパイオニアとなるべく集結した、20社総勢130名が在籍するプロフェッショナル・コンソーシアムです。多種多様なメンバーが集い、それぞれの強みを活かしたサービス・ソリューション開発を行っています。本連載では、UXDセンターで働くメンバーをご紹介します。今回は、『おうちdeおウチ Lab.』チームの大崎さんにお話を伺いました。

【UXD member vol.14】株式会社コンセント・大崎優さん

まず、簡単に自己紹介をお願いいたします。

子どもの頃から絵を描くことが大好きで、武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科を卒業後、2004年に株式会社アレフ・ゼロ(現・株式会社コンセント)に入社しました。はじめはアートディレクターとして、雑誌や書籍、広告のデザインを担当。8年ほど仕事を続けるうちに、当時のデザイン制作のビジネスモデルに限界を感じるようになりました。ページ単価や広告単価でマネタイズするモデルが一般的であり、デザイン能力が社会全体に活かされていないと感じたのです。当時、企業のイノベーション創出にデザインが役立てられるようになり、デザイナーの仕事が広がっていった時期でもありました。

今後は事業に深く踏み込んでいく「サービスデザイン」が求められると考え、2012年にはサービスデザイン事業部を立ち上げました。2015年には株式会社コンセントの取締役に就任。現在は、コンセントでの仕事に加え、特定非営利活動法人 人間中心設計推進機構(HCD-Net)評議委員や、社会人のための“未来の学校体験”「Xデザイン学校(X DESIGN ACADEMY)」の講師やアドバイザーを務めています。


趣味や特技などはありますか?

8歳と5歳の男の子がいるので、あまり趣味の時間はとれていません。ただ、家族と美術館に定期的に行くようにしていますね。美術館は内容はもちろんのこと、建築物が素晴らしいところが多く、非常に興味深いです。作品と向き合って、自分自身を内省的に見つめ直す時間につながっています。

おすすめは、地元愛知にある豊田市美術館。谷口吉生さんという建築家が設計した美しい美術館です。現代美術の展示も多く刺激的です。

【UXD member vol.14】株式会社コンセント・大崎優さん

地元愛知にある豊田市美術館(大崎さん撮影)


現在はどのようなお仕事を?

職種としては、サービスデザイナーとデザインマネージャーという肩書きを持っています。サービスデザインとは、顧客体験や生活者体験をベースに、事業の立ち上げや構築支援をコンサルティングする仕事です。UI/UXデザインや、それをベースとしたデジタルサービスの構築を担当しています。デザインマネージャーは、お客様となる企業がデザインを経営に活かすための支援をする仕事です。たとえば社内デザイン組織の構築や、デザイン人材の育成・採用支援、標準デザインプロセスの設定、評価制度の整備など、マネジメント全般を担当しています。

【UXD member vol.14】株式会社コンセント・大崎優さん

事業に深く踏み込んでいく「サービスデザイン」の全体像

お客様は、建設、金融、流通、メーカー、食品、地方自治体、行政機関など、業種も問わず、多岐にわたります。長谷工グループの未来変革プランの立案と実行を進める価値創生部門FIT開発部の皆さまともお仕事をさせていただいており、すでに事業のローンチに携わり成長に向け伴走しています。

コンセントは、創業50周年という歴史ある会社であり、デザインコンサルティングから制作まで一貫性を持ってできるのが強みだと感じています。協働するメンバーも部署や職種を問わずプロジェクトごとに組まれるため、多様な視点に触れられ、毎日新鮮な気持ちで仕事ができています。


UXDセンターに関わることになったきっかけは?

2018年にUXDメンバーの安井さんからお誘いいただきました。別のプロジェクトで新規事業の立ち上げをご一緒していたこともあり、UXDセンターでも新規デジタルサービスの立ち上げを進めて欲しいとのことでした。

私が入ったときは20人くらいの組織でした。大規模で規律がしっかりした企業の集まりでもなく、かといってフリーランスの集まりのように分散されたカタチでもない、中間の良いバランスを取っているように感じました。


UXDセンターに入ってからはどんな仕事をしていますか?

複数の新規デジタルサービスの構想をしたり、各種リサーチ業務を担当してきました。現在は、Byndsの永井さん率いるおうちdeおウチ Lab.チームで主にリサーチ機能を担当しています。具体的には、オンラインコンテンツやイベントを通じて、参加者にどんな行動変容があったかをリサーチし、運営を支えています。アンケートのほか、クローズドのインタビューも実施。一人ひとりの生の声を大事にしながら、分析を進めています。最近では、和食器ブランド「京都 たち吉」様とのコラボで、マーケティング戦略としてInstagramの分析なども担当しました。これらで得た情報を元に、「京都 たち吉」様とおうちdeおウチ Lab.の双方への価値創出に取り組んでいきます。

これまで数々の新規事業提案を経験してきましたが、おうちdeおウチ Lab.は事業開発やマーケティングの有効な手段の1つとして明確に位置づけられると感じています。オウンドメディアを運用して集客をしたり、リアルイベントで生活者とのリレーションを広げていくことは、多くの企業が従来から活用してきた手法です。おうちdeおウチ Lab.のようなオンラインコミュニティで築かれる深いリレーションは、有効なマーケティング手段としてこれからも注目を集めていくと考えています。


UXDセンターにどんな印象を抱いてますか?

専門性が高く、優秀な人材が集まっており、プロジェクトでなにか必要なスキルや人材があれば、そのネットワークの中から最適な解決策を見つけ出すことができます。有機的な組織だと感じますね。自分自身の学びにつながることも多いです。メンバーの考え方やプレゼンテーションの仕方などは、私自身も参考にしています。

プロジェクトの進め方についても、大企業や行政機関の場合、予算や稟議などの段取りが複雑になる場合も少なくありません。しかし、UXDセンターは長谷工グループが母体であるにも関わらず、流動的かつスピーディーな動きができていて、非常に刺激を受けています。


UXDセンターで今後どんなことに取り組んでいきたいですか?

現在のおうちdeおウチ Lab.は探索領域に特化しています。コロナ禍をはじめ生活者の価値観がどんどん変わる時代です。おうちdeおウチ Lab.はその風向きをキャッチし、体温のある「暮らしの価値」を長谷工グループに提案していきたいと思っています。今後はサービスデザインの思考も活かしながら、新しい事業を生み出せるプラットフォームとして、長谷工グループに刺激を与えられるような存在になることを目指していきたいです。

ありがとうございました!

Profile

大崎優UXDセンター おうちdeおウチ Lab.
大崎優

株式会社コンセント取締役。デザインマネージャー、シニアサービスデザイナー。武蔵野美術大学視覚伝達デザイン学科卒業。2004年株式会社アレフ・ゼロ(現 株式会社コンセント)に入社し、2015年より株式会社コンセント取締役を務める。グラフィックデザイン、新規事業開発支援、製品・サービスのデザイン、企業の開発フロー構築支援、ブランディング支援などを行う。2012年にサービスデザイン事業部を立ち上げ、サービスデザイン人材の育成にも携わる。特定非営利活動法人 人間中心設計推進機構(HCD-Net)評議委員。「Xデザイン学校(X DESIGN ACADEMY)」アドバイザー・講師。コンセント Design Leadershipメンバー。

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